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Archive for 9月, 2020

postheadericon 長野県立歴史館、信濃美術館、林業大学校について一般質問をいたしました。

令和2年9月定例会で一般質問を行いました。質問項目は、1.県立歴史館と公文書管理について 2.信濃美術館の名称と運営について 3.林業大学校男子寮の個室化について です。

本日の質問でしたが、帰宅したら既にアップされていました。議会事務局の素早いご尽力に敬意を表し、早速ブログを更新しました。ぜひご覧ください(^-^)。→ https://www.youtube.com/watch?v=q0UVy9z2Wp0&list=PL9IPDzLB1TynlNuFYygx-gtzR6gcG0j0I&index=8

質問原稿を以下に添付します。

 

改革・創造みらい、望月義寿でございます。通告に従い質問いたします。知事並びに理事者の前向きで真摯なご答弁をお願いいたします。

最初に、県立歴史館と公文書管理について質問いたします。県政の適正かつ効率的な運営と県民への説明責任を果たすため、公文書管理条例が制定され、令和4年度から本施行となります。過去の経緯を知ることは、より良い未来を創るために不可欠であり、歴史公文書の適切な管理・保存・活用は極めて重要です。先日、会派で県立歴史館を視察させていただきましたが、本当に多くの公文書・古文書が保管されていました。これら大量の文書を早急に整理する必要がありますが、行政文書については、担当者が平成24年に1名となり、しかも専任ではなく他の業務と兼務のため0.5名体制で、公文書の整理、閲覧に供するための個人情報など非公開内容の審査、明治初年から昭和21年度の「長野県行政文書」1万783点のデジタル化を進めなければなりません。また、不要文書目録から歴史資料として何を残すか選別するためには、複数の目で判断する必要があります。他県では公文書館を単独設置し複数職員で対応している例もある中で、本県の公文書館機能を担う県立歴史館の体制は、これで十分なのか疑問です。古文書においても同様で、大量の古文書が未整理となっています。失われたら取り返しのつかない古文書の整理・保存を進め、民間に存在する古文書を県外に流出する前に収集するためには今の体制では到底人手が足りません。条例施行後に公文書館機能を果たして行くための人員の増員が必要と考えますが、原山教育長のご所見を伺います。

また、県立歴史館の行政文書書庫内の空欄の長さは600メートルほどであり、年間80メートルほど簿冊等を収納することから、これまでの推移で収蔵していくと8年以内に満杯となる見込みと伺っています。新規受入文書のデジタル化を進めると共に、廃校などの空きスペースを活用することを提案しますがいかがお考えでしょうか。原山教育長のご所見を伺います。

本年の2月県議会の代表質問で、当会派の小島代表から指摘しました通り、県民共有の財産である公文書の適正な保存、活用を図るためには、専門的な人材が必要不可欠であり、永年保存価値のある情報を査定、収集、整理、保存、管理し、閲覧できるよう整える専門職であるアーキビストを、県立歴史館や知事部局に配置できることが理想です。令和4年度の公文書管理条例の本施行に向け、このような専門的な人材の確保・養成について、関総務部長にご所見を伺います。

次に、信濃美術館の名称と運営について質問いたします。昨日、西澤議員から同趣旨の質問がありましたが、条例案にある、県信濃美術館の「長野県立美術館」への名称変更は、私も反対です。信濃美術館は県内外で浸透し親しまれてきた名称であり、わざわざ「信濃」を削除する理由が理解できません。日本人なら、信濃と言えば長野県のことだと当然わかりますし、長野県民皆が県歌信濃の国を歌えることは、他県民から驚きを持って知られています。県民統合の象徴である「信濃」の名称は、むしろ残すべきと考えます。海外向けにも「長野県立」とあれば「長野の」「県立」美術館であることは一目瞭然であり、オリンピック・パラリンピック開催都市長野のネームバリューは「長野県立」で活かせます。また、書道界で初めて日本芸術院賞を受賞した、偉大なる書道家であり故郷の誇りである、川村驥山が題字を揮毫した「信濃美術館」の館銘板もあり、それ自体が芸術作品である信濃美術館の館銘板を無駄にするのは、あまりにももったいないと言わざるを得ません。知名度と愛着がある信濃美術館の名称を変更すべきではないと考えますが、「信濃」を削除した理由と、「長野県立信濃美術館」とした場合にどのような支障があるのかについて阿部知事のご所見を伺います。

次に、信濃美術館の運営について質問いたします。近年の文化施設は、単なる学習する場から楽しむ場へと変化を遂げています。以前視察させていただいた安城市図書情報館「アンフォーレ」は一部エリアを除き館内で飲食ができ、おしゃべりするスペースが設けられていました。福井県立恐竜博物館は多種多様なオリジナルグッズを販売しているのが印象的でした。新しい信濃美術館も、そこへ行けば楽しい事があると思える美術館として、単なる芸術鑑賞の場としてではなく、館内だけではなく、アート・グルメ・ライフスタイルを周辺の「まち」と一体として、生活を・人生を楽しむ場として運営していただきたいと思います。それには、指定管理者の自由度を広げ、オリジナルグッズの開発・販売等の積極的な事業の展開や外部資金の獲得等を可能にする仕組みづくりが必要だと考えますが、運営の方向性について増田県民文化部長にご所見を伺います。

最後に、林業大学校男子寮の個室化について質問いたします。老朽化した林業大学校男子寮の建て替えが計画されていますが、現行と同じく4名の相部屋で建て替える方針となっています。憲法第13条で保障されるプライバシー権は、 当初「一人でいさせてもらえる権利」から始まり、現在は「情報コントロール権」とするのが通説ですが、公費で建設し運営する林業大学校に入校したければ、プライバシー権という憲法上の権利を放棄しなければならないと言うのは、人権上・公益上、問題ではないでしょうか。森林環境譲与税導入による森林整備促進が図られている現在、林業の専門家の育成が喫緊の課題であるにもかかわらず、令和2年度の入学者は、定員わずか20名にも関わらず定員割れして18名の入学者しか迎えることができませんでした。推薦入学者の比率が落ちたとか他県に林業大学校が設立されたからとの説明がなされましたが、他より魅力ある林業大学校ならば入学辞退は起こらないのではないでしょうか。また、他県の学生寮で新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生したのは記憶に新しいところで、密にならない工夫が求められる中、これから建設する寮を4人部屋とするのは時代に逆行していると言えます。全寮制自体は、協力し合う関係性を醸成するために必要かもしれませんが、せめて寝室くらいは個室にすべきと考えますがいかがでしょう。阿部知事のご所見を伺います。

以上で私の質問を終わります。