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Archive for 11月 23rd, 2017

postheadericon 議場に赤ちゃんを連れていくことについて

緒方夕佳熊本市議が、生後7ヵ月の長男を連れて本会議に出席し、開会が40分遅れたそうです。肯定的な意見も多少あるようですが、頑張る方向性を間違った残念な案件だと思います。

私自身も、平成24年3月議会の時、子ども達3人がインフルエンザにかかり、保育園で預かってもらえず、病児保育施設もなく、かといって予算を審議する議会を欠席するわけにもいかず、頭を抱えた覚えがありますので、子どもを連れてでも議会に行きたいという気持ちは理解できます。この時は、私以外の家族全員がインフルエンザでダウンしたため、妻・父・母も家にいて子ども達をみてくれたので私は議会に出席できましたが、みてくれる人がいない方は本当にたいへんだろうと実感しました。故に、翌6月議会に「病後児保育の拡充と病児保育の実施を求める請願」を作成し、連合長野長野地協さんから提出していただき、全会派の皆さんに趣旨と必要性をご説明してご同意いただき、全会一致で採択することができました。議会による全会一致の重みはそれなりにあり、その後、松代病院の施設整備に合わせて病児保育をはじめていただき、現在に至ります。

そもそも、議場は、議員と理事者・職員以外は入れない場所です。裁判所でも、傍聴席の柵を乗り越えて入ってくる人がいたら大騒ぎになるでしょう。赤ちゃんは泣くのが仕事と言われるように、泣き出したらどうするのでしょう? 私は、子どもが小さい時には、一瞬も目を離さないようしていたため、トイレに行くのも一緒(笑)ぐらいだったため、子ども連れでは議会に出席していても、とても仕事にならない自信があります(^^ゞ。一度にいくつもの事ができるという女性は違うのかもしれませんが・・・。

海外では、赤ちゃんを連れて議場に行ける国もあり、議会中に授乳している様子も世界中に発信されています。本人が見られてもいいと納得しているなら問題ありませんが、音がするから振り返ったら授乳中で、セクハラ親父呼ばわりされたり、授乳の様子を全世界に発信されたくないから議会中継をやめろ!という話になると、開かれた議会に逆行することになります。また、授乳スペースを設ける配慮も進んできて、赤ちゃん連れでも外出しやすくなりましたが、人前で授乳するのが当たり前な風潮となると、授乳室を設置する意味がなくなり、普通の羞恥心を持つ方は困ることになります。

緒方市議には4歳のお嬢さんもおられるようです。ならば、長男も保育園や自営業の夫に預かってもらえば、安心して議会に出席できるでしょうに、何故、長男を連れて「事前連絡もせず」強行出席したのでしょう。やっぱり、頑張る方向性が違うと思いますし、パフォーマンスのために子どもを利用しないでほしいと切に願います。長男の顔と名前を全国放送で暴露し、長女の名前も流布させる。自分の選挙対策のため、子ども達を利用したようにしか思えません。共産党の志位和夫委員長は、35歳で書記局長に大抜擢された時、マスコミの取材が殺到しましたが、子ども達は別人格だからと、自身や党の利益のために「さらし者」にすることを拒みました。それでこそ、子を思う親・政治家だと思います。私も、facebook等に子ども達の顔が写った写真は載せませんし、名前も秘密にしています。

緒方市議が求めていた、現状、利用するのは自分だけだが、税金で託児所を設置せよ!ダメならベビーシッター代を税金で出せ!というのは、また、それを議員が言うことは、やっぱり、違うと思わざるを得ません。

追伸 沖縄県の北谷町議会では、宮里歩議員が3ヵ月の赤ちゃんを連れて議会に参加できるよう、議員控室を保育スペースとして使用することを全会一致で了承しました。宮里議員はファミリーサポートを自費でお願いし、議会に出席しつつ、休憩時間に赤ちゃんとの時間を持てています。長野市議会においても、控室に子どもを連れていくことは許されています(父親・母親等を問わず)。

自己の利益を図るため、乳幼児は母親が面倒をみるべきとの女性差別を助長し、赤ちゃんをプラカードや兵器のように利用する緒方議員に対し、怒りを覚えます。そもそも、議場は乳幼児にとって快適な場所ではありません。そこにいることを強制するのは、児童虐待以外の何物でもありません。

「きれいごと」で子ども達や女性、市民の不幸を増す行為、やめませんか?